離婚届の書き方を完全解説!必要書類と提出時の5つの注意点
離婚届の書き方を完全解説!必要書類と提出時の5つの注意点
離婚届の入手方法と基本的な仕組み
離婚届は、正式には「離婚届書」と呼ばれ、夫婦が法律上の婚姻関係を解消するために提出する書類です。離婚届を提出して受理されることで、戸籍上の婚姻関係が終了します。
離婚届の入手場所
離婚届は以下の場所で入手できます。いずれも無料です。
- 市区町村役場の窓口:戸籍課や住民課の窓口で「離婚届をください」と伝えるだけで受け取れます。理由を聞かれることはありません
- 各自治体のWebサイト:PDF形式でダウンロードできる自治体も増えています。A3サイズで印刷する必要があります
- コンビニのマルチコピー機:一部の自治体では、コンビニで取得できるサービスを提供しています
離婚届の種類
離婚の方法によって、離婚届の記入内容や必要書類が異なります。
| 離婚の種類 | 概要 | 証人の要否 | 追加書類 |
|---|---|---|---|
| 協議離婚 | 夫婦の話し合いによる離婚 | 必要(2名) | なし |
| 調停離婚 | 家庭裁判所の調停による離婚 | 不要 | 調停調書の謄本 |
| 審判離婚 | 家庭裁判所の審判による離婚 | 不要 | 審判書の謄本+確定証明書 |
| 裁判離婚 | 裁判所の判決による離婚 | 不要 | 判決書の謄本+確定証明書 |
協議離婚が最も一般的で、離婚全体の約87%を占めています。
離婚届の記入項目を一つずつ詳しく解説
離婚届にはさまざまな記入項目があり、正確に記入しないと受理されない可能性があります。ここでは、各項目の書き方を順番に解説します。
届出日
実際に役所に提出する日付を記入します。記入した日ではなく、提出する日を書くのがポイントです。郵送の場合は、届出書を発送する日ではなく、役所に届いた日が届出日となります。
氏名・生年月日
戸籍に記載されている氏名を正確に記入します。旧字体(「澤」「邊」「髙」など)が戸籍上の表記である場合は、その通りに記入する必要があります。生年月日は和暦で記入するのが一般的です。
住所・世帯主の氏名
住民票に登録されている現住所を記入します。離婚届の提出と同時に転居届を出す場合は、新しい住所を記入することも可能です。
本籍
現在の戸籍の本籍地を記入します。本籍地がわからない場合は、本籍地記載の住民票を取得して確認しましょう。
父母の氏名・続き柄
届出人それぞれの父母の氏名と、その父母との続柄(長男、長女、二男、二女など)を記入します。父母が亡くなっている場合でも記入が必要です。
離婚の種別
「協議離婚」「調停」「審判」「和解」「認諾」「判決」のいずれかにチェックを入れます。
婚姻前の氏にもどる者の本籍
離婚により旧姓に戻る場合、戻る先の本籍地を記入します。「もとの戸籍にもどる」か「新しい戸籍をつくる」かを選択します。離婚後も婚姻中の氏(姓)を使い続けたい場合は、別途「離婚の際に称していた氏を称する届」(戸籍法77条の2の届出)を提出します。
未成年の子の氏名
未成年の子がいる場合、それぞれの子について「夫が親権を行う子」「妻が親権を行う子」のどちらかに振り分けて氏名を記入します。親権者を定めないと離婚届は受理されません。
証人2名の要件と頼み方のコツ
協議離婚の場合、離婚届には2名の証人の署名が必要です。証人欄の記入は意外とハードルが高いと感じる方も多いため、詳しく解説します。
証人になれる人の条件
証人の条件は、成年(18歳以上)であることのみです。以下のような人も証人になれます。
- 親族(両親、兄弟姉妹、義理の親族など)
- 友人・知人
- 職場の同僚
- 弁護士、行政書士などの専門家
夫婦それぞれが1名ずつ用意する必要はなく、妻側の友人2名でも、夫の両親2名でも問題ありません。
証人に記入してもらう項目
証人には以下の項目を記入してもらいます。
- 署名:証人本人が自署する(代筆不可)
- 生年月日
- 住所
- 本籍
証人の本籍がわからない場合は、事前に確認しておくようお願いしましょう。
証人を頼む際の注意点
離婚の証人を頼むのは気が引けるという方もいらっしゃいますが、証人は「離婚の事実を確認した」ことを証明するだけであり、離婚の理由や条件に対する責任を負うものではありません。このことを伝えたうえでお願いすると、引き受けてもらいやすくなります。
どうしても証人が見つからない場合は、弁護士や行政書士に依頼することも可能です。有料にはなりますが、確実に証人を確保できます。
離婚届の提出先・提出方法と受理されるまでの流れ
離婚届を記入したら、いよいよ提出です。提出先や方法を間違えると、余計な手間が増えてしまいます。正しい手順を確認しましょう。
提出先
離婚届の提出先は以下のいずれかです。
- 届出人の本籍地の市区町村役場
- 届出人の所在地(住所地)の市区町村役場
本籍地以外に提出する場合は、戸籍謄本(全部事項証明書)の添付が必要です。本籍地に提出する場合は戸籍謄本の添付は不要です。
提出方法
| 提出方法 | 受付時間 | 注意点 |
|---|---|---|
| 窓口提出(開庁時間内) | 平日8:30〜17:15が一般的 | その場で記入ミスを確認してもらえる |
| 窓口提出(夜間・休日) | 24時間対応の当直窓口 | 預かりのみ。後日審査され、不備があれば連絡 |
| 郵送 | いつでも | 届いた日が届出日。不備があると返送される |
最もお勧めなのは、開庁時間内の窓口提出です。 記入ミスがあってもその場で修正でき、確実に受理されます。
受理されるまでの流れ
- 離婚届を窓口に提出
- 担当者が記入内容と添付書類を確認
- 不備がなければ受理(その場で受理証明書を発行可能)
- 本籍地の市区町村で戸籍の記載が行われる(1〜2週間程度)
提出時に必要な持ち物
- 離婚届(記入済み)
- 届出人の本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 戸籍謄本(本籍地以外に提出する場合)
- 印鑑(訂正が必要な場合に備えて)
- 調停調書の謄本等(協議離婚以外の場合)
よくある書き間違いと離婚届不受理申出制度
離婚届は、些細な記入ミスでも受理されないことがあります。よくある間違いと、知っておくべき「不受理申出制度」について解説します。
よくある5つの書き間違い
1. 氏名の字体が戸籍と異なる 「渡辺」と「渡邊」、「斎藤」と「齋藤」など、普段使っている字体と戸籍上の字体が異なるケースは非常に多いです。戸籍謄本で正確な表記を確認しましょう。
2. 本籍地の番地が間違っている 本籍地は住所とは異なることがあります。特に「番地」と「番」の違いに注意が必要です。
3. 未成年の子の親権者が記入されていない 未成年の子がいる場合、全ての子について親権者を指定しなければ受理されません。記入漏れが多い項目です。
4. 証人欄の不備 証人の本籍地の記入漏れ、代筆(本人以外が署名する)は認められません。
5. 届出日の記入ミス 記入した日ではなく、提出する日を記入するのが正しい書き方です。
離婚届不受理申出制度
配偶者が無断で離婚届を提出してしまうことを防ぐための制度が「離婚届不受理申出」です。
利用すべきケース:
- 離婚の話し合いが始まったが、まだ合意に至っていない
- 配偶者が勝手に離婚届を出すおそれがある
- 離婚届に署名したが、気が変わった
申出方法: 本籍地の市区町村役場に「不受理申出書」を提出するだけです。費用はかかりません。取り下げない限り、その後提出される離婚届は受理されなくなります。
申出は本人が直接窓口に出向くか、郵送で行えます。一度申出をすれば、取り下げるまで効力が続きます。
離婚届提出後に必要な8つの手続き
離婚届が受理された後も、さまざまな手続きが必要です。漏れなく対応しないと、日常生活に支障が出る可能性があります。
提出後すぐに行うべき手続き
| 手続き | 届出先 | 期限 |
|---|---|---|
| 住民票の異動(転居届・転出届) | 市区町村役場 | 14日以内 |
| 世帯変更届 | 市区町村役場 | 14日以内 |
| 健康保険の変更 | 勤務先または市区町村役場 | 14日以内 |
| 国民年金の変更 | 市区町村役場または年金事務所 | 14日以内 |
| 子の氏の変更許可申立て | 家庭裁判所 | 期限なし(早めが望ましい) |
| 入籍届 | 市区町村役場 | 氏の変更許可後 |
| 氏の変更届(婚氏続称する場合) | 市区町村役場 | 離婚後3ヶ月以内 |
| 各種名義変更 | 各機関 | 速やかに |
特に注意すべきポイント
子どもの戸籍・氏の変更は見落としやすい手続きです。離婚により母親が旧姓に戻った場合でも、子どもの氏は自動的には変わりません。子どもの氏を母親の旧姓に変更するには、家庭裁判所に「子の氏の変更許可」を申し立て、その後「入籍届」を市区町村役場に提出する必要があります。
婚姻中の氏を引き続き使用したい場合は、離婚後3ヶ月以内に「離婚の際に称していた氏を称する届」を提出する必要があります。この期限を過ぎると、家庭裁判所の許可が必要となり手続きが煩雑になります。
弁護士に相談すべきタイミング
離婚届の記入自体は難しくありませんが、離婚に伴う財産分与、養育費、慰謝料の取り決めは、離婚届の提出前に行うのが鉄則です。これらの取り決めを公正証書にしておくことで、万が一の不払いの際に強制執行が可能になります。
離婚届を出す前に、一度弁護士に相談して、ご自身の権利を確認しておくことを強くお勧めします。